ソ連とアメリカの間

　僕の会社の部署における位置は、タイトルにあるようにソ連とアメリカの間………です。人の意見は聞かないで自分の主張のみ押し通そうとするアメリカがチーフで、その対極としてソ連＝先輩。限りなくソ連寄りの中間が僕です。

　今日も営業さんに書類の作成について幾つか確認をしていたら、アメリカ対ソ連の第○次世界大戦が勃発しておりました。何でか知らないけど僕の席の上で。
　オウ、席に戻るに戻れないじゃん。
　約５分に渡る核兵器の応酬、それらがブンブン飛び交う僕の席の上。
　戻れない状態で密かに自席の惨状を見つめる僕と、生暖かい視線で僕の肩を叩く営業さん。

「あの２人より、あの２人の間に挟まれている榊原くんの方が大変だよなー、ま頑張れ☆」

　どう頑張ればいいのか分からないです。

　とりあえず今日の大戦は先輩の勝ちだったようです。
　結局論理に破綻を来たし、幾つかのミスや落ち度が発覚したのに誤らないで相手を批判して誤魔化そうとしていたがバレ、涙目で部屋から出て行った（お前は子供か？）チーフの敗北。

　最近非常に旗色が悪いチーフでした。誰もフォローしてくれないし。

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切る？ 切らない？

　もうすぐ１ヶ月経つのに、まるで入って３日も経たないかのような働きぶりの新人さん。出社も始業時刻ギリギリなので、当然朝の掃除も２回くらいしかやったことがありません。
　別に新人の仕事なわけでもないんですが、全然やらないのもどーなのかと思わずにはいられません。

　気の回らない人はそういうのを見ても、自分もやらないといけないな、とか少し早く出勤しようかなとは思い至らない模様。

　掃除はともかく仕事でもその調子なので、本当にこの人採用すんの？という営業部全体の空気があります。本人にその自覚が全くないのもスゴイと思います。

　恐らく教育係たるチーフが、いい加減この全く仕事が出来ないお荷物状態から全く成長する気配の無い新人の面倒など見ていられないと思い始めているらしく（遅いなあ）、社長に直訴しているという噂があります。
　その所為か、最近３日に１度は社長が新人を呼び出しています。
　このままだと採用しないよと言っているのか、試用期間延長を言い渡しているのか、今月いっぱいでクビと言っているのか。それとも来月から正社員採用だから頑張れよ、とか実情を理解していない台詞を吐いているのか、後者だったらどうしようと怯えています。
　僕はあんな出来ない人の世話なんてしていられないです。

　今まで何十年も仕事をしたことがないのでは？

　敬語を話す能力は高校生以下？

　５０聴いて３覚える？

　みたいな感じです。

　このまま不採用にして下さい！と神に祈る今日この頃。

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きょうのチーフ

　ここ最近のチーフの動向が面白いなあとほくそ笑む榊原です、こんばんわ。

　今の所上層部からは主犯扱いされてはいないものの、責任の一端はある平社員として手短に社長に叱責され、凹んでいたチーフ。異動して来た頃の勢いは完全になくなっております。
　本人の予想に反して思い通りに行かなかったからです。

　うちの部署全員に総スカン食らっている（自業自得）チーフは、昼休みは勿論仕事中も何かにつけて前の部署へ入り浸っている事が多い。そんな時は大抵前の部署の部長相手に愚痴ったり、こっちの揚げ足を取るべく対策を練っていたり、仲の良い社員相手に相談してみたり、愚痴ったりしています。
　今日、たまたま書類を捜しにチーフの元古巣へ行った時、１つ奥の棚から何やら人の話し声が………
　小声ではあるものの語調は荒めの女性の声。
　チーフとチーフと仲の良い女性・Ｃさんでした。
　どーせまたうちの部署に対する愚痴でも言ってるのだろう、とそのまま書類を捜していると、どーも様子がおかしい。愚痴りあっているのではないようだ。
　どうもチーフが愚痴るか相談されたＣさんが、答えた内容がチーフ的に不服だったらしく、揉めているらしい。で、Ｃさんの方も、

「だからそういう意味で言ったんじゃないって」

「チーフがそうしたいならそうすればいいじゃん」

「チーフがそういう風に言うんなら私はもう何も言えないよ」

　と、Ｃさんから見捨てられ気味になり、本当にＣさんはその場を立ち去ってしまいました。
　
　ああ、とうとう数少ない味方にも見捨てられ始めたのかしらぁ？

　とほくそ笑む僕。


　援護射撃がどんどん減っている？チーフの最近の悩みは、どーやら今月から来ている新人さん（一応まだ試用期間）。
　５０代半ば？と思しきおばさんなんですが、これがビックリするほど仕事が出来ない。しないのではなく出来ないのである。かつて神社にいた巫女さんが１番出来ない人でしたが、彼女を遥かに上回る勢いです。年齢も年齢だからもうどうしようもない。
　言葉遣いはいきなりタメ口だわ（２０過ぎの若造か？）、同じ事を何度言われてもさっぱり覚えないわ、メモ取っているのかいないのか、覚えが悪いにも程があるだろうというレベル。
　喋り方だけでも愚鈍さが分かるというのに、何で社長はこの人を採用しちゃったの？と不思議でなりません。
　殆どこの人と喋ったことはありませんが、教育係であるチーフとのやり取りを見ていれば分かる話。

　チーフはこの新人相手に怒鳴ることも強い口調で言う事もなく（先輩の事は散々罵倒していたのに）、きっと自分に懐く後輩を育成する為に優しくしているのかなあ、なんて思っていましたが、内心いい加減にしろ！と思っているようです。
　部長が社長と話していたら、

「チーフが新人が仕事出来なくてあまりに手が掛かりすぎて、仕事が全然進まない！と言っているんだけど、君から見てどうかね？」

　と聞かれたらしい。
　部長は新人さんと全然関わる機会がないし、席も遠くて視界に入らないので「知りません」と答えたそうですが、いい加減新人さんの首切りは秒読みなのかも知れません。
　僕としては未だに切られていないのが不思議でしょうがないんですが。
　
　はっはっは、順調に苦境に落ちていますね。
　新人さんも何であんなに仕事出来ないのだか………。今まで仕事したことない、とか言わないだろうなあ。既婚っぽくないので独身？に見えるんだけど。
　ああはなりたくない未来、パート２（１はチーフ）。

　苦境に立たされながらも、チーフは金曜日は習い事だからとさっさと帰って行きました。昨日まで３日間ず～っと出張に行っていた営業さんに、

「その書類全部処理してから帰って下さいね。月曜日にはこっちで処理したいんで」

　と言い捨てて。
　この書類の山を処理出来ると思うのか？　もう終業時間だというのに、帰り際に何をほざく？　休日出勤しろとでも？
　営業さんも相当ムカついたらしい。
　偉そうに言いやがって、お前も書類の山を築いておるだろうが！
　新人が使えないなら首切れと言えばいいだけじゃねえの？
　
　来週の展開が楽しみですこと。

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とうとう地雷を踏んだ模様

　７月からうちの部署に異動になり、前の部署にいた時からかなり評判が悪かったチーフ。表立って攻撃するような人がいなかったものの、日々評判は地に落ち最低限の会話以外しない人も多いという状態でした。
　失脚させてやる、というような意地に悪い人はいませんでしたが、あの様子じゃいずれ自爆すんじゃないの？と醒めた目で見ていた人は少なくありませんでした。チーフは自分で言うほど完璧な仕事をしているわけでもなく、うちの部署の業務は全然理解出来ていない。好き勝手にやっていずれは面倒な事になるんだろうという予想。

　で、その日が来ました。今日です。
　チーフが異動して早々に「この部署の台帳は間違っている！」と他の部署の台帳をコピーして全ページ差し替えしたのですが、その所為で重大なミスが発生して結構面倒なことになっております。
　元々の台帳には記載されていた記述が、差し替えた台帳にはなく、そのまま間違った内容で手続きが進んでしまったのです。
　
　あ～あ～あ～、ミスってる♪
　
　台帳を差し替えて何かあったら自分で責任取るとか言っていたけど、ど～するのかな～？　そもそも責任取れるほど偉くないのに。

　くくくくく、見ていて楽しいのう。もう暫く仕事続けようと思った今日でした。ざまあみろ！

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新人さん１人リタイア

　月曜日は１番憂鬱、って程でもない今日この頃。日差しも弱まり涼しい風を感じながら出勤。ふと見ると、いつの間にか新人さん（若い方）の席がうちの部署に移っている。土曜日に移動したらしい。まあいいや、今日も元気に朝のお掃除タ～イム！とがしがし机を拭いたり階段掃除したりしていると、１本の電話が。
　自分のデスクでメールチェックをしていた部長が出る。
　新人さん（若い方）からの電話で、用事があるから午前中は休むとのこと。ハローワークの手続きか何かだろうか？と思いつつも、不穏なものを感じる。
　
　仕事開始から１時間程して再び新人さん（若い方）から電話が掛かって来た。これは僕が出た。実は殆どこの人とは顔を合わせる機会もなく、名前も知らなかったりする。まともに声を聞いたのはこれが初めてだなあ、と話していると。社長に代わって欲しいと言う。
　めっちゃ不穏だ。
　ただ休むの何のだったら社長に代わる必要はない。社長に代わらないといけないとなると、ひょっとして………
　とりあえず僕の憶測などどうでも良い。社長がいるか確認した所、まだ出社していないということなので、あと１時間くらいで来るからもう１度その時間に掛けてもらうことにした。

　それから１時間後、また掛かって来た。
　出たのは先輩だった。そのまま社長に代わり、それなりに長めの電話だったのは、電話のランプで見て取れた。
　　
　一体どうなったのだろう。十中八九辞めるような気がしてしょうがないが、いちいちそんなことは伝えられないので分からない。どうしたんだろうね、午後来るのかな？と先輩達と昼ごはんを食べ、食後のお茶を飲んでいると、カンカンと力強く叩きつけられるヒールの音がした。
　ん？チーフ？　忘れ物でもした？　まだ来るのは早いんじゃない？　休憩時間はまだまだ残っているよ？
　ゆっくりと音の主を見てみると、新人さん（若い方）。
　しかもかなりご機嫌斜めというか不機嫌全開のご様子。
　彼女は自分のデスクに向かうと、私物をカバンにねじ込み、ここ数日でコピーしたであろう仕事の資料をビリビリと派手に引き裂き、ボスッ！とゴミ箱に投げ込んだ。
　一体何があったの？　どうしたの？　と思いつつ、立ち上る赤黒いオーラに気圧されて何も言えず、ただ無言で見つめる僕達。
　彼女は資料を全て破り捨てると、カバンを持って再びカンカンと足音を響かせて部屋を出て行った。

　………えーと、これはやっぱり辞めるってことですか？

　午後になってからやはり辞めたらしいという情報が伝わって来る。
　ナンバー２なのに情報がすぐに回ってこないことも少なくない部長が、３時のお茶を飲みながらぼやく。

部「新人さん辞めちゃったんだってさ。まだ１週間なのに。もうちょっと様子見てみても良いと思うんだけどねー」

僕「きっともう様子見るまでもなく無理だと思われたんじゃないですか？」

部「え～？　そうなのかなあ？　まだ１週間なのに？」

僕「そうなんですけど、今日来た時に資料をビリビリに引き裂いて行きましたよ。しかもすごく怒ってたように見えました。ほらこんな風に」

　手近にあったゴミ箱の中身を部長に見えるように傾けた。
　
部「………すごいな」

僕「前の部署で何かあったんじゃないですか？　ただ合わないってだけならこんなに引き裂いたり、怒ったりしないと思いますよ」

部「あそこは変な女が多いしな」

　一体何が原因で新人さんが辞めたのかは分かりませんが、よっぽど腹に据えかねる事があったんだろうと思われます。でも他の職場探す方がきっと幸せだと思う。
　それにしても退職理由が気になります。

　そんなドラマがあったのを忘れるように、巨峰を食べて紛らわせます。

　

　近所のスーパーで売っている１パック２００円のものです。この皿２杯分くらいあるので、まずは半分だけ頂きます。
　安さの秘密は房つきでない事。房から取れてしまった実をパックに盛り合わせたものなのです。見た目が良くないってことで安いようです。
　房なんて食べられないし、むしろ邪魔だから最初からなければ良いのに、と思っている僕にはピッタリ。しかも安い。いつもある訳じゃないし、そもそも数が少ないのですが、出会えたなら即買っています。
　美味～、でももっとアルコール発酵したのも良いなあ。

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