多種多様

　会社まで片道２０分程の道程を毎日自転車で往復している。
　そうすると特に夕方などは散歩中のお犬様を多く見かける。朝は８時過ぎだと結構暑い所為で殆ど見かけない。もうちょっと涼しくなれば散歩するのだと思う。
　今の時期は明るいけど日光は直接当たらない、１８時過ぎに散歩する人が多いようだ。Ｔシャツにゆるいパンツ、サンダルで歩いているお姉さん、上半身裸のオジサン等、夏らしい出で立ち。危険だと言われる自転車に乗って犬の散歩をする人もいる。
　
　そんな飼い主はどうでも宜しい。
　僕が密かに楽しみにしているのは、犬そのもの。意外に雑種の犬は少ない気がする。明らかに血統書付きと思われる大型犬、結構人気らしくよく見かける柴犬、おもちゃみたいなチワワ、跳ねるように歩くダックスなどが大半。雑種らしい犬は余り見かけない。
　個人的には雑種が好きだ。他に似た犬がいない所なんかが良い。僕は犬を飼った経験はないが、親戚の家にいたので犬は好きだ。ちなみに親戚の犬も全て雑種だった。猫も雑種だった。パッと見アメショにしか見えないが、雑種だった。
　慣れの所為かも知れないが、飼うなら雑種。保健所か何かでタダで貰おうと思っている。

　会社の往復中にすれ違う犬を舐めるように見ているが、小型犬なんかだと自分で歩かずに抱っこされっぱなしという、散歩の意味がないんじゃないかという犬も結構見かける。
　まれに抱っこされている柴犬なんかもいる。抱っこというより宙吊りっぽく見えるけど。

　犬がいたら毎日散歩に行くから結構にも良いのじゃないだろうか。
　一緒に走るのも良さそうだ。

　そんなことを思いながら犬達を眺めている。
　
　うちで飼っている鳥様やベタちゃんは一緒に出かけられないのが残念だ。せいぜいベランダで一緒に日向ぼっこくらいしか出来ない。でも文鳥のおなかの肌理の細かい柔らかな羽毛の感触は絶品だと思う。この感触の布団セットがあれば、きっと何十万するに違いない。
　そんな感触が僕のささやかな癒しになっている。

　ただ、触られている最中の文鳥様は相当厭そうでちっとも癒されてないみたいですが。

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