2006年春に神主を辞め、某弱小会社に入社するも、たったの10ヶ月で鬱病になり2007年3月で退職。半年の休養を経て現在は営業事務としてある業界では有名な会社で正社員として働いています。元神主だったので、それに纏わる忌まわしいネタも公開しつつ、有難さ-127%でお送り致します。
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良く勘違いしているかたがいるのですが、神主・巫女=霊能者というわけではありません。勿論そういう人もいるのでしょうが、殆どの人が普通の人です。入社試験に「霊能力」の項目なんてありません。
かくいう僕も見えない人なのですが、「ひょっとしてあれは……」という体験がありますので、ちょっと書いてみようかと思います。
多分、怖くないです。
あれは学生時代、僕は大学内でバイトをしていました。
授業が終わってから働いていたのですが、その日の7時過ぎになり、僕は一般立ち入り禁止の大学図書館の収蔵庫、校舎の別棟の建物に本を取りに行くことになりました。
すっかり周囲は暗くなり、昼も夜も人が近寄らない収蔵庫のあたりは静まり返っていました。夜間部の学生が行きかう喧騒も聞こえてきません。
収蔵庫は地下から最上階まで、各階ごとに入り口があるのですが、一階から入って、他の階にはエレベーターで移動する。一階入り口の鉄扉に鍵を差込んで中に入り、それから中から鍵を掛ける。規則でそういうふうになっていたのです。
僕もその通りにして中に入り、目的の本を手に一階入り口に戻って来ました。校舎に戻る前に校舎に内線で電話を掛け、他に持っていく本がないか聞いていた時、それがおこりました。
鉄扉に嵌ったスリガラスの向こうに人がいた。
瞬間的に女だと分かった。スリガラス越しだから顔の造作は全く分からないが、髪形と服装の印象は合唱団の人のような、白いブラウスに少なくとも肩まではある黒い髪の女に見えた。
一緒に働いている職員だろうか?
でも服装が違う。じゃあ誰なんだろうか?
誰かこっちに来るなんて話は聞いてないよなあ。
「あれ? なんか人が……」
僕がぽつりと声を漏らすと、内線の向こうの先輩(女)の不思議そうな声が聞こえる。
「榊原君? どうしたの?」
「いえ、扉の向こうに女の人が……」
そこまで言った時、扉の向こうの女がふうっ、と近づいた。そして、
ガン!ガタガタガタ!! バン!! ガタタン!!!
尋常ではない勢いで、女が扉をこじ開けようとし始めた。
硝子が割れそうなほど、取っ手が壊れそうなほどに扉がガタガタと前後に揺れる。
「う、うわあああああ!!?」
突然のことに僕は思わず悲鳴を上げた。
「榊原君? 榊原君!? どうしたの? ねえ、大丈夫!?」
内線で先輩が呼びかけてくるが、僕に応える余裕はない。
「すいません、ここ関係者しか入れないんですけど、どちら様ですか!? 何か御用ですか!?」
扉の向こうに呼びかけるが、一切の返答はなく、ただ無言で扉を開けようとし続ける。
たっぷり1分くらいはそうしていたが、唐突に女は扉を開けようとするのを止めた。
女は数秒動きを止め、最後に少し顔を硝子に寄せると、そのまま後ろへと下がっていなくなった。どういうわけか、彼女は背をこちらに向けず、見えなくなるまで顔をこちらに向けたまま、後ずさりして消えた。
僕はへなへなと座りこんだ。
一体今の女は何だ?
少なくともマトモな人間ではなかっただろう。
もし、僕が鍵を掛け忘れていたら、何が入ってきたのだろう?
そして、僕はどうなったのだろう?
今でも僕はその時のことを思い出すと、体が震える。それほど尋常ではない様子だったのだ。あの女が生身の人間であったとしても、霊の類だったとしても、どちらにしても同様に恐ろしい話である。
僕はそれから暫く、収蔵庫には近寄らないでいた。
ついでに、僕の悲鳴や尋常ではない扉をがたつかせる音を内線でリアルタイムで聞いていた先輩も、かなり怖がっていました。
それだけの話です。
かくいう僕も見えない人なのですが、「ひょっとしてあれは……」という体験がありますので、ちょっと書いてみようかと思います。
多分、怖くないです。
あれは学生時代、僕は大学内でバイトをしていました。
授業が終わってから働いていたのですが、その日の7時過ぎになり、僕は一般立ち入り禁止の大学図書館の収蔵庫、校舎の別棟の建物に本を取りに行くことになりました。
すっかり周囲は暗くなり、昼も夜も人が近寄らない収蔵庫のあたりは静まり返っていました。夜間部の学生が行きかう喧騒も聞こえてきません。
収蔵庫は地下から最上階まで、各階ごとに入り口があるのですが、一階から入って、他の階にはエレベーターで移動する。一階入り口の鉄扉に鍵を差込んで中に入り、それから中から鍵を掛ける。規則でそういうふうになっていたのです。
僕もその通りにして中に入り、目的の本を手に一階入り口に戻って来ました。校舎に戻る前に校舎に内線で電話を掛け、他に持っていく本がないか聞いていた時、それがおこりました。
鉄扉に嵌ったスリガラスの向こうに人がいた。
瞬間的に女だと分かった。スリガラス越しだから顔の造作は全く分からないが、髪形と服装の印象は合唱団の人のような、白いブラウスに少なくとも肩まではある黒い髪の女に見えた。
一緒に働いている職員だろうか?
でも服装が違う。じゃあ誰なんだろうか?
誰かこっちに来るなんて話は聞いてないよなあ。
「あれ? なんか人が……」
僕がぽつりと声を漏らすと、内線の向こうの先輩(女)の不思議そうな声が聞こえる。
「榊原君? どうしたの?」
「いえ、扉の向こうに女の人が……」
そこまで言った時、扉の向こうの女がふうっ、と近づいた。そして、
ガン!ガタガタガタ!! バン!! ガタタン!!!
尋常ではない勢いで、女が扉をこじ開けようとし始めた。
硝子が割れそうなほど、取っ手が壊れそうなほどに扉がガタガタと前後に揺れる。
「う、うわあああああ!!?」
突然のことに僕は思わず悲鳴を上げた。
「榊原君? 榊原君!? どうしたの? ねえ、大丈夫!?」
内線で先輩が呼びかけてくるが、僕に応える余裕はない。
「すいません、ここ関係者しか入れないんですけど、どちら様ですか!? 何か御用ですか!?」
扉の向こうに呼びかけるが、一切の返答はなく、ただ無言で扉を開けようとし続ける。
たっぷり1分くらいはそうしていたが、唐突に女は扉を開けようとするのを止めた。
女は数秒動きを止め、最後に少し顔を硝子に寄せると、そのまま後ろへと下がっていなくなった。どういうわけか、彼女は背をこちらに向けず、見えなくなるまで顔をこちらに向けたまま、後ずさりして消えた。
僕はへなへなと座りこんだ。
一体今の女は何だ?
少なくともマトモな人間ではなかっただろう。
もし、僕が鍵を掛け忘れていたら、何が入ってきたのだろう?
そして、僕はどうなったのだろう?
今でも僕はその時のことを思い出すと、体が震える。それほど尋常ではない様子だったのだ。あの女が生身の人間であったとしても、霊の類だったとしても、どちらにしても同様に恐ろしい話である。
僕はそれから暫く、収蔵庫には近寄らないでいた。
ついでに、僕の悲鳴や尋常ではない扉をがたつかせる音を内線でリアルタイムで聞いていた先輩も、かなり怖がっていました。
それだけの話です。
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プロフィール
HN:
榊原恭一郎
性別:
男性
職業:
営業事務
趣味:
読書、DVD鑑賞、SD、ネット等インドア趣味
自己紹介:
大卒後神主×年→無職2ヶ月→会社員10ヶ月→鬱病になって療養しつつ無職6ヶ月→念願の事務職に就職。
2回連続問題ありで離職率の高い職場を選んで体を壊しているので、次こそはマトモな所を狙って就職活動したつもりです。超アナログではあるけど居心地は悪くないと思う。
夢は経理事務だったけど営業事務職、年収300万以上を夢見た結果、その夢は叶う職場(のはず)です。求人票に嘘がなければね。
そんな駄目人間風味のコーヒー飲まないスターバックスファンのブログ。スタバグッズ蒐集が趣味。他にも色々集めてます。
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