厭魅の如き憑くもの・凶鳥の如き忌むもの

　たまたま新聞の広告欄で目にして気になったので、図書館から借りて読んで見ました。
　系統的には京極シリーズみたいな感じなのですが、京極に比べるとライトノベル風です。そして結構読みにくい文章かも。冗長っていうのかな。
　京極シリーズはあの厚さでも労せずサクサク読み進められるのですが、凶鳥の方はかなり辛くて、幾度となく読書ストップしました。事態の考察に多くページを取っているせいじゃないかと思います。そこまで欠かなくて良いから先に進んで………となってしまって。
　厭魅の方はそう苦しくなく読めると思います。そしてかなり怖いです。不気味というか。怪異を信じていなくてもそういう気配や雰囲気に呑まれてしまう感じ。都会のど真ん中ではなく隔絶された山奥ならではなのかも知れません。
　よく聞く怪異譚だけどそれをリアルタイムに記述されると怖いですよね。そしてその怖い何かの姿が見えないから、余計に怖い。最後まで怖いです。凶鳥は怖くないし読みにくいので、是非厭魅を読んで見て下さい。因習に囚われた村、それを継ぐ家、憑き物筋……怖い。

　続編も読む予定なので、図書館で予約待ちです。最新刊はまだ蔵書になっていないようですが、首無しはあるようです。あと秒速５センチメートルの小説版も予約待ち中です。
　学生アリスのおかげで図書館の有難さがよく分かりました。今度は何を借りようかな。漫画も置いてくれるといいんですけどねー。
　有栖川さんの文章も読みやすくて分かり易いんだなー、と改めて思っています。

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