忍者ブログ
2006年春に神主を辞め、某弱小会社に入社するも、たったの10ヶ月で鬱病になり2007年3月で退職。半年の休養を経て現在は営業事務としてある業界では有名な会社で正社員として働いています。元神主だったので、それに纏わる忌まわしいネタも公開しつつ、有難さ-127%でお送り致します。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 僕が一番良く覚えているのは、とある3歳の七五三祈祷に来た女の子だった。神社に電話で「車椅子なので、どうしても他の人とは別に祈祷して欲しい」という話だったので、普段は使わない予約祈祷用神殿で奉仕することになった。受付が終わり、僕が神殿の前で巫女さんと待っていると、その女の子が来た。ピ、ピ、ピ、ピと電子音が響く。

 ん? 何の音だ?

 僕と巫女さんが疑問符を浮かべながら、顔を見合わせていると、ガラガラと音を立てて女の子が来る。但し、どう見てもそれは車椅子というシロモノではない。寝台、ストレッチャーというのか?
 女の子はちゃんと着物を着ているが、寝台に横たわって目を閉じている。素人目にも彼女が眠っているのではなく、意識がないのだと分かった。寝台の下の段には何か機械が鎮座し、そこから伸びた管が女の子の鼻や口に挿入されていた。人工呼吸器?

 今までにない状況に一瞬硬直するが、何とか気を取り直して御祈祷しました。勿論本人に玉串奉奠など出来るわけもなく、殆どお母さんがやっていました。横に一緒にいた女性は親族ではなく、看護婦さんだったそうです。お母さんは祈祷が出来てとても嬉しそうでしたが、何だか見ていて切なくなりました。
 「お医者さんに許可を貰って、看護婦さんにも協力してもらって来ることが出来たんです」と言っていましたから。一時退院ですか?
 道理で他の人とは一緒にやりたくない、と強く希望するわけです。納得しつつ、ちゃんと最初から分かっていたら僕みたいな下っ端の若造ではなく、もっと有難そうな課長クラスにやってもらったり、特別な祝詞を用意したり、ちょっとくらい記念品にプラスしたり出来たのになあ、と思います。
 何だか7歳の御祈祷まで生きられるのか、という風情でしたが、彼女が生きていたら今年か来年に七五三を迎えます。願わくば元気になって、せめて意識のある状態でお参り出来たらなあ、と思うのです。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
榊原恭一郎
性別:
男性
職業:
営業事務
趣味:
読書、DVD鑑賞、SD、ネット等インドア趣味
自己紹介:
大卒後神主×年→無職2ヶ月→会社員10ヶ月→鬱病になって療養しつつ無職6ヶ月→念願の事務職に就職。
2回連続問題ありで離職率の高い職場を選んで体を壊しているので、次こそはマトモな所を狙って就職活動したつもりです。超アナログではあるけど居心地は悪くないと思う。
 夢は経理事務だったけど営業事務職、年収300万以上を夢見た結果、その夢は叶う職場(のはず)です。求人票に嘘がなければね。

 そんな駄目人間風味のコーヒー飲まないスターバックスファンのブログ。スタバグッズ蒐集が趣味。他にも色々集めてます。
カウンター
フリーエリア
最古記事
(03/24)
(03/25)
(03/29)
(03/31)
(04/01)
アーカイブ
ブログ内検索
最新コメント
(06/13)
(01/19)
(11/03)
(02/12)
(12/02)
バーコード
最新トラックバック
フリーエリア
フリーエリア
忍者ブログ [PR]