我が家の守護神

　今日巾着田から帰ってきて、部屋で寛いでいると左腕にボトッ！と何かが当たる衝撃が。
　え、何？　何が起きたの？　え、ええ！？
　僕の腕にバウンドして畳の上に落ちた黒い物体。
　これはアレか？　イニシャルＧ！？　南に行けば行くほど巨大化する、頭部に生えた触角をこれみよがしに見せ付ける黒光りするアイツ！？
　あまりに突然の事に硬直しながら恐る恐る物体を確認すると、虫ではないようだ。

　ニホンヤモリ君でした。しかも子供。小指の先ほどの小さい子。

　何処かから侵入してきて、僕の部屋の天井にへばりついていたらしい。で、足を滑らせ僕の腕目掛けて自由落下して来たのだ。

　どうしよう、すごく小さい。下手に掴むと潰しそうなサイズ。

　頑張って捕獲を試みたけどあっさり本棚の裏に逃げられる。

　………どうしよう。エサもいないのに生きていけるんだろうか。ある日干物になったヤモリ発見は厭だ。かと言ってうっかり踏んづけるのも困る。ネコハエトリグモなら良く部屋の中をうろうろしているけど、ヤモリとは食べ物違うよなあ。
　そのうち出て来たらまた捕まえよう。
　頼むから寝ているときに寄って来ないで。寝返りの拍子に潰しかねないから。

　ヤモリくんの身を案じて数時間。
　先程再びその姿を現しました。危うく押入れの中に逃げこまれかけたりしましたが、隙間を作らぬように紙で追いたて、僕の手の中へ。
　潰さぬように、でも逃げられるような隙間は作らないように握り（途中で落とさないかすんごいドキドキした）、ベランダから外へ放り出しました。故に写真は全然撮れませんでした。

　ふー、やれやれ。ヤモリ君、うちを守ってくれるのは有難いけど、外からそっと見守って下さいな。室内は君にとっては危険だよ。食べ物もないし。窓や網戸にへばりついて覗き込むだけにして下さいね。

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